自分ではない自分を発見する!

演技の方法/訓練
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Hello world!nora3です。

すっかり春めいてきましたね!

陽の光をたっぷりと吸い込んで、黙々と開花の準備をする桜の木のように、僕達も一つ一つ着実に取り組んでいきましょう!

というわけで、本日は精神的準備編の❹「自分ではない自分を発見する」についてお話していきまーす。

「自分ではない自分」とはなんでしょうか。

「自分らしくない自分」と言い換える事もできます。

「自分という枠の外にある自分」とも言えます。

人の成長というものは、すなわち「自分を知ること」である、という側面があります。幼少の頃から様々な経験をする中で「自分というのはどういう人なのか」「自分らしさとはなにか」「自分はなにが好きでなにが嫌いなのか」といったことについての認識をどんどん形成していきます。

その過程で、人は自分の周りにどんどん「枠」を築いていきます。「ここまでが自分」「ここまでが自分らしさ」「ここまでが自分の許容範囲」「ここが自分の限界」というように、どんどん枠を巡らして、その中に自分を閉じ込めていきます。

そしてそれこそが、他人とは違う「自分らしさ」であると信じ込み、自分らしくない事には手を出さないようになっていきます。

「私そういうのちょっと無理なんで」とか

「ワタシのキャラじゃないし」とか

「オレ的にありえん」とか言いながら

「自分らしい自分」を大事にし、自分を形作る「枠」の中に居続けようとします。

それはおそらく「安心」だからです。「安心」だし「そういうのが好き」だし「よく知ってる」し「緊張しない」し「楽」だから、枠から出たくないわけです。

まあそれはみんなそうだし、それはそれでいいんですが。

今日お話しようとしている「自分ではない自分を発見する」というのは、そういう「枠」とか「自分らしさと自分が思っている領域」から、ちょっとはみ出てみませんか?というお誘いです。

自分で作った「自分」という枠の中は、当然ながら「自分らしいと自分が思う事柄」で満たされています。

では、枠の外にはなにがあるでしょうか。

枠の外には、見たこともない「新しい自分」が、見渡す限りに広がっています。今まで触れた事も、表に現れたこともない「見知らぬ自分」「まだ自分ではない自分」です。

それは確かに自分が知っている自分ではないけれども、今までに経験したことの無いある特定の環境や状況下で発動する「まだ見ぬ自分」であり、「まだ生まれていない自分」です。

そこにはみ出してみる。

では、いかにして「枠」を超えるか。

簡単です。「自分らしく」ない事をやってみればいいんです。

やってみて「やっぱりイヤだ」と思ってしまえば枠に戻ってしまいますから、なるべく「ん〜意外と楽しい・・・かも?」とか「こういうのもアリかも」とか考えるようにして、枠外に居続けるように努力します。

もしも苦しくなってきたら「もー無理」と言っていつもの枠内に戻ればいいだけなので、安心して冒険を続ける事ができます。

これは、「自分の枠」を少しずつ広げていく作業です。未知のなにかを経験する事で初めて出会った未知の自分は、出会った瞬間からすでに未知ではなくなり、「新しい自分」になります。

その分「自分の枠」が広がったわけで、この作業を延々と繰り返す事で、例えば無限大の、もしくは無形の自分を目指すことだって理論的には可能かもしれません。

 

この「未知の自分から新しい自分を発掘する作業」は、一般の人々にとっても充分有用で、実際に役に立つものですが、演じる人にとっては、特に重要な作業になります。

俳優が演じる「役」「キャラクター」というのは、「未知の自分」の中に「埋まって」おり、これを探り出し掘り出して枠内に収め「新しい自分」とする事を「役作り」というからです。

だから俳優の役作りは、嘘でも物真似でも作り物でもなくて、あれは新しい自分なんです。

新しい役をこなすと、俳優自身の「枠」が少し広がり、「自分らしさ」がちょっと大きくなる。また次の役に取り組めば、未知の自分が未知でなくなり、新しい自分としてまた自分の枠を広げる。

そうやって俳優は「俳優としての奥行き」と「人としての広がり」を身に付けていくわけです。

逆に言えば、自分と全く共通点の無い役は「ちゃんと演じられない」ということになります。

自分の枠と役の枠、重なる部分が全く無ければ、それは演じても「形態模写」「物真似」「作り物」という事になり、中身の無い偽物という事になってしまいます。いくら表面的に細かく作り込んであっても、です。

一般の方も演じる方も「ここまでが自分だ」と思える枠が、小さいよりは大きい方が、絶対にいいですよ!

「未知の自分」との出会いを楽しんで、「新しい自分」をどんどん増やしちゃいましょう!

というわけで、本日ここまで!

「自分ではない自分」=「未知の自分」
「役」「キャラクター」は「未知の自分」の中に埋まっている!