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柔軟性に富んだ身体を手に入れる!

演技の方法/訓練
この記事は約5分で読めます。

Hello world!nora3です。

前回は、常にリラックスした身体を手に入れるために、「緊張センサー」を育てよう!というお話をしました。

 

常にリラックスした身体を手に入れる!
Hello world!nora3です。 前回は、演じるための「準備の準備」についてお話ししました。 今回は身体的準備の「①常にリラックスした身体を手に入れる」について詳しく説明していこうと思います。 ...

 

今回は、演じるための準備の準備のうちの、身体的準備その②として、「柔軟性に富んだ身体を手に入れる」ことの必要性についてお話ししたいと思います。

 

みなさんどうですか?身体カタいですか?それとも柔らかいですか?

演技というのは身体と精神を使いますので、やはりこの辺もスポーツと似ていて、身体は硬いよりは柔らかいほうがいいです。関節にしろ、筋肉にしろ、柔らかければその分可動域が広くなります。可動域が広ければそれだけ身体が色々な形や角度に動くわけなので、結果としてそれだけ表現できるものが増えるわけです。可動域が狭ければ、そこが動きの限界でそれ以上の表現はできません。またそれは、関節部位の可動域に限られる話ではなく、例えば声もそうです。演じるということは、音楽に例えれば「身体を楽器として」使うことでもあるので、声に関しても当然音域が広く、さまざまな音色が出る方が良いわけで、そのためには声帯の柔軟性があったほうが良いわけです。

このように、演じる人の身体というのは「素材」であると考えた方がいいです。例えば食堂ならば、さまざまな食材を揃えれば揃えるほど、作れる料理の種類は増えるわけですが、俳優はそれを「自分の身体」という一つの素材でやる必要があります。料理店でも、あえて単一の料理に特化して、いわゆる専門店化した方が良い結果が出るのと同じように、俳優も「当たり役」というものを得て、そこを極める場合もありますが、それは俳優が「職業」としての必要があって時に求める道であり、本来演じるために求められるのは、さまざまな素材へと変化できる身体であると思います。

「変化」できること=「演じるための身体にとって必要な柔軟性」ということになります。

「変化」ということに焦点を当てると、関節や筋肉の可動域とか声の音域にとどまらず、演じるために必要な柔軟性にはもっと様々な身体的要素があることがわかってきます。

わかりやすい例で言えば、「髪」「爪」「ひげ」「肌の色」なんかはどうでしょう?髪が長い場合と短い場合とでは、どちらが「変化」させやすく「柔軟性」があると言えるでしょう?爪やひげはどうでしょうか?肌の色が黒いのと白いのとではどちらが「変化」させやすい「素材」だと思いますか?

「体重」はどうでしょう?「変化させやすい身体」を求める場合、普段は痩せているべきでしょうか、太っているべきでしょうか?それともその中間くらいでいるべき?

「表情」「涙」「汗」「癖」「身体的障害」などのわかりやすいものから「顔色」「震え」「利き手」「清潔感」「傷」「体毛」「ほくろ」などの細かいものまで、演じる時に求められる身体的特徴は挙げたらキリがありません。

もちろんその全てを本当に「準備」できるわけではありません。「傷」や「やけど」は実際にはメイクで作るわけですし、「障害」を本当に負う必要はありません。しかしその傷なり障害がその役に大きな影響を与えている場合、やはりそれは演じる人の身体に「実際に」なければなりません。見えないけれども、その傷や障害が「実在」するかのように演じる人の心に作用して、結果身体的特徴として現れなければいけないわけです。それにはその傷なり障害を、演じる人が「信じる」必要があります。

昔、僕と一緒にテネシー・ウイリアムズの「ガラスの動物園」という戯曲を演じた女の子がいました。ローラというその役は、足が悪くていつも引きずっていて、それがローラのコンプレックスになっているんですが、その女の子は「自分はまだ初心者だから障害を演じるのは難しい」と感じて、ローラから障害を取っ払ってしまい、足を引きずる事なくローラを演じました。そのシーンをニューヨークの有名な演出家の人が見ていたんですが、彼女をキツく叱って、最後にこう言いました。「足の障害無しに、ローラの何がわかるんだい?」

フリではいけません。ある意味本当に身体が「変化した」「変わってしまった」と感じることが求められます。言葉を変えれば、演じる自分の心をだませるくらいの「身体的変化」を自分の身体を使って創り出すわけです。

それには色んな意味で「柔軟な身体」が必要になるし、「柔軟な身体とはなにか」について考え、それを手に入れるために工夫し、大切に保つ必要があります。

そうすると、ついには身体中の血管、特に頬や耳たぶや鼻の頭とかの毛細血管なんかも柔軟な方がいいなと思ったりします。怒ったり泣いたり恥ずかしがったりした時に、頬や耳たぶや鼻の頭が赤くなった方がチャーミングなので。まあ、赤くならない方が良かったりする役もあるのでアレですが。

少し難しい話もしましたが、「変化できる柔軟性」のある身体は、演技する必要のない一般の人にとっても有用でしょう。可動域の広い身体はケガを防止し、健康な生活に直結しますし、変化できる身体を持ち、それに影響を受けることは、イメージチェンジやダイエット、自分の新たな魅力や自信を作り出したり等、新しい自分に向かって踏み出す力となるでしょう。

凝り固まった自分を抜け出し、柔軟で「なんにでもなれる」自分の身体をイメージし続けましょう。

 

明日も早いのにまた遅くなっちゃったのでもう寝まーす。

 

「変化」できること=「演じるための身体にとって必要な柔軟性」
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